2009-11

透明人間の納屋 / 島田荘司

透明人間の納屋 / 島田荘司

toumei.jpg


犯人が透明人間なら可能な密室からの消失!
この世にうまくなじめないヨウイチ少年が唯一心を開き尊敬できるのは真鍋さんだった。
彼は何でも知っていた。
透明人間が存在すること、人を透明にする薬がある事を…。


社会的問題提起をしてるのですが
これは子供向け小説としては難しいのでは?と疑問に思いつつ・・・
トリック、無理がありすぎてちょっと笑ってしまったけれど
結構面白かった!!
トリック・・・そう繋げますか!
アンフェア感溢れまくりですw

『透明人間』という設定がとても楽しかったです♪
子供用冒険小説ならでは。
本格好きには堪らない、密室物でしたし!
さすが島田荘司・・・
かつて、江戸川乱歩が書いた『少年探偵団』シリーズの雰囲気を
よく踏襲していたと思います♪
あのシリーズを読んでた頃のワクワク感がよみがえりました★

真鍋さん・・・・・
涙が溢れて止まりませんでした。
たしかにかつて・・・あそこを楽園と信じていた人がどれほどいたことか。
騙されたことに気付き、一体何人の人が失意の底で死んでいったのか。
真鍋さんの目が日本に止まらなかったことが悔しくてなりません。
そんな見も知らぬ楽園に思いを馳せるよりも
今いる日本で味わえた幸せを大事にしていれば・・・
でも、幸せってそういうものなんですよね。
手を離して初めて分かった幸福。
気付いた時にはそこは地獄。
せめて・・・
日本の幸せの思い出の元、旅立てたことを祈ります。
不覚にもラスト、号泣でした。

プラ・バロック / 結城充考

プラ・バロック / 結城充考

pura.jpg


埋め立て地の冷凍コンテナから、14体の凍死体が発見された。
整然と並んだ死体は、誰の、どんな意図によるものなのか?
神奈川県警機動捜査隊に所属する女性刑事・クロハは
虚無感と異様な悪意の漂う事件の、深部に迫っていく…。


読んでいて映画『SAW』を思い出しました。
劇場型犯罪で、ストーリー展開も結構そのままだったような・・・。

とてもゲーム的な作品だったと想います。
主人公と犯人のどこまでも無機的な感じがそう感じさせるのかな?
現実では優秀な刑事であるクロハ。
しかし、上下関係が染み付いている警察組織では厄介な存在でもあり
事件のチームでも捜査から外される。
クロハは癒しを仮想世界に求める。
近過ぎず、遠過ぎずの距離感。
しかし、段々と仮想世界と現実世界がリンクし始めて・・・

タカハシの命を懸けたトリックに、心底ゾッとしました。
人間、こんなにも一人の人を憎みきれるのだろうか・・・。
クロハの『幸せ』という言葉を聴いて
タカハシが何を思ったのか聞いてみたかった。
憎むだけだった自分の人生を後悔しただろうか・・・?

ゲルマニウムの夜 / 花村萬月

ゲルマニウムの夜 / 花村萬月

gerumaniumu.jpg


人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。
修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜と倫理のはざまで揺れる日々。
目指すは、僕の王国―世紀末の虚無の中、「神の子」は暴走する。


絶え間なく、必死で吐き気と戦いました。
凄まじい文章の嵐。
神と暴力と性が矛盾なく共存している様に、心底ゾッとしました。

凄惨な暴力を他人に振るいながらも
そんな自分を本当に冷静に把握してる主人公に
ひたすら嫌悪感を抱いた。
そして、こんな人が身近にいないことにとてもほっとした。
従属するか、虐げられるか・・・
そんな2択しか許さない人間など
確かに『王』なのだろう。

魔王 / 伊坂幸太郎

魔王 / 伊坂幸太郎

maou.jpg


人々の心をわし掴みにする若き政治家が、日本に選択を迫る時
長い考察の果てに、兄は答えを導き出し、弟の直観と呼応する…。
未来にあるのは青空なのか、荒野なのか。
世の中の流れに立ち向かおうとした、兄弟の物語。


今まで読んできた伊坂作品とは一線を画す作品だった。
脅威のどんでん返しも、緻密な伏線もない。
あるのはただ圧倒的な問題提起だ。

国を動かすとはどういうことか。
私達には選挙権がある。
与えられた権利を使い、信頼できる政治家を選び
その信頼できる政治家が首相を選ぶ。
そして首相は在任期間中ひたすら『支持率』に踊らされるのだ。
『支持率』とはなんだろうか。
日本においては、政策や公約の達成度云々よりも
時流が大きく影響しているような気がする。
では、それは悪いことか?

弟の無邪気な魔王振りに、思わず背筋がゾクリとした。
確かにお金は力だろう。
『大衆に流されない』意見を持つことも大事だろう。
でも、その両方を個人が持ってしまったら
私達に対抗する術はあるのだろうか?
執政者が民衆の逃げ道を奪うことは問題ではないのか?
私はそんな執政者に弟君がなりそうで怖いのだ。
とても、とても無邪気に逃げ道を塞ぐ気がするのだ。

続編の結末を早く読んでみたいと思います。

しゃばけ / 畠中恵

しゃばけ / 畠中恵

syabake.jpg


江戸の大店の若だんなで身体が弱くすぐ寝込んでしまう一太郎には
手代に身を替えた犬神・白沢などが身の周りに控えている。
ある夜、ひとり歩きをした一太郎は人殺しを目撃して…。


妖怪と若旦那である一太郎の掛け合いが本当に面白い作品でした♪
『不思議なこと』が全て『妖怪』で説明されていた江戸の雰囲気は十分★
今となってはもはや身近ではない妖怪なのに
どこか懐かしさを覚えました^^

推理小説?って感じですが
妖怪小説としてはかなり良いエンターテイメント性があったと思います。
出てくる妖怪がどれも個性豊かで、想像するのが本当に楽しかった!
鳴家・・・1匹でもいいから欲しい・・・・笑。

若旦那に忠誠を誓っている妖怪たちとはいえ
やはり人間とは違う生き物だから
何処かズレてる基準の、その微妙なずれ加減の描写が上手いな、と。
思わずクスリと笑ってしまいました^^
シリーズ化してるとのことなので、これからも読んでいきたいと思います★

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

Category

New Entry

Comment

mail

名前:
メール:
件名:
本文:

Link

Friend

この人とブロともになる

Track back

Archive

Search